私達は中学校から高校、大学と少なくとも10年余英語を勉強してきました。学校での英語の勉強は、ほとんど試験対策がメインで実際に使える英語を習得することはあまり力を入れて行われて来ていません。
受験勉強もクイズのような英語の問題ばかりで、試験で差をつけるためのまったく使えない英語の勉強に終始しています。10年余英語を勉強しても海外旅行に行ってもまったく役に立つ英語が口から出てこない、相手の言っている英語が聞き取れないということになっています。受験勉強の英語と実践英語ではまったく戦略を変える必要があります。
私達が身につけるべき英語力は、実際に使える英語の力です。リスニング力は、最低限必要ですが、相手の言っていることが分かるだけではダメです。必要な時に必要なひとことが反射的に自分の口から出てくるかどうか、自分から発信することができる発信英語力です。受け身の英語力ではなく、能動的英語力、使える英語、反射的に口から出てくる英語力を目指したいものです。
使える英語を身につけるためには効率的な工夫とコツが必要です。受験勉強のような暗記だらけの力仕事では使える英語は身につきません。使える英語、発信英語力を強化するための効率的な工夫とコツを確認しておきましょう。
1.目標を決める
英語を勉強したい、英語を喋れるようになりたいと思ったら、それは何のためか?身につけた理由がある筈です。海外留学したい、仕事で使う、海外旅行したい等々理由は人それぞれです。目標と言っても人がやっているから、かっこいいから、何となく喋ってみたいから等々軟弱な理由ではダメです。明確な目標、ゴールを決めてください。英語を喋る自分がどこで何をしているかイメージできるでしょうか?英語を使ってバリバリ仕事をしている、海外で農業指導をしているとか英語を喋る自分が何をしているかイメージできるかどうか、それが大事です。目標をイメージで持ってください。文字で書ける目標ではなくイメージできる目標です。
2.ローマは一日にしてならず
何事も目標達成には時間が必要です。ローマも一日で出来た訳ではありません。どんなプロも最初はまったくの素人でした。コツコツ努力を継続したからプロの技量まで到達できた訳です。受験勉強は短期決戦ですが、実践英語力、使える英語力を身につけるためにはコツコツと長期戦で取り組む必要があります。そのためには自分自身で毎日のルーティーンを作りましょう。毎日1時間ではなく毎日10分でも15分でも英語に浸る時間を取ることを習慣化することです。隙間時間を活用すれば毎日継続することは可能でしょう。兎に角頑張ることなくコツコツ小さな努力を毎日継続するのです。毎日短時間でもドップリと英語に浸る時間を取ってください。習慣化すれば長期間継続することも苦にならなくなります。英語に浸る時間がないことが何か忘れたような気分になる筈です。自分でルーティーンを決めて毎日コツコツ継続しましょう。
3.ミスを恐れない
英語の上達にはミスはつきものです。ミスを恐れる必要はありません。大事なことはどこが間違っていたのかその場で確認して知識を修正しておくことです。後でとか先延ばしにせずその場で確認しておきましょう。そして気がついたことは必ずメモしておくことです。同じミスを何度もすることがあります。その都度確認してメモしておきましょう。積み重ねで記憶が定着するのを助けます。必ず上達します。何事も積み重ねです。
4.文化をも意識する
世界のどの言語にも言葉の裏には文化が潜んでいます。私は言葉の裏地と言っていますが、どの言語でも裏地には長い歴史と文化が裏打ちされています。言葉だけ学習するだけではなく、その言葉の孕む文化にも意識を向けて知識を蓄えるようにしましょう。そういう知識からその国の習慣や人々の考え方を知ることになります。固有の考え方の知識がないためにちょっとしたジョークの意味も理解できないと言うこともおこります。日本とは違うジェスチャーが理解できずに誤解を生んだと言うこともあり得ます。言葉の裏には文化があります。
5.五感を活用する
使える英語を習得するには五感をフル活用する必要があります。特に音読は強力です。トロイの木馬で有名なトロイの遺跡を発見したドイツの考古学者シュリーマンは18か国語をマスターした語学の天才だったと言われています。本当に18か国語もマスターできたたのかどうか真偽のほどは分かりませんが、シュリーマンの語学学習法は、とにかく音読することだったそうです。ひたすら音読して五感でマスターして行ったのでしょう。受験勉強で一生懸命英単語を覚えても試験が終われば忘れていました。頭だけで覚える方法では限度があります。口で喋って耳で聞いて繰り返すことによって身体で覚える感覚を磨いてください。頭で覚えるのではなく、身体で覚える、五感で体感しながら身体に英語をしみ込ませて行きましょう。
6.マイノートをつける
受験勉強の時に経験していると思いますが、暗記しても時間とともに記憶は薄れてきます。ミスをしてその場で修正してもいずれミスをしたことを忘れて同じミスをしてしまいます。人間だれでも同じことを経験しています。自分だけの問題だと考える必要もありません。英語の学習ではコツコツ繰り返すことがとても大事です。その都度気がついたこと、新しい知識に出会ったらメモをしましょう。それをマイノートに纏めておくことです。気がついたことをメモして行くことで自分の学習の軌跡が分かります。上達の進歩は実際に目で見ることはできませんが、学習の軌跡を振り返ることで自分が登って来た道がいずれは目でみることができるようになります。
7.かたまりで覚える
受験勉強では英単語を力仕事で頑張って覚えましたね。英単語を覚えることも必要ですが、英単語だけを覚えてもその使い方が分からなければ実際にその英単語を自分で使って喋ることはできません。英単語単体ではなくその英単語を使った例文はイディオム、熟語にして覚える方が実践的です。使える場面を想定して例文や熟語で覚えるようにしましょう。その英単語を実際に使える例文で覚えることで実践対応が可能になるでしょう。