世界中には沢山の言語があります。
その言語の難しさは千差万別。
日本では中学からまず英語を学習して
大学で第二外国語を取るのが普通ですね。
第二外国語でも仏、独、西、露等々欧米語が主流です。
欧米語は概して文法も複雑です。
名詞の性や動詞の格変化等々はマジックです。
一方アジア語はあまり注目されませんが、
例えばインドネシア語は欧米語に比べてシンプルです。
極端な話、単語をそのまま覚えて並べれば
3ヶ月程度で日常会話ができるようになるでしょう。
なにしろスペル通りにローマ字読みすれば発音OKです。
名詞に性もなく動詞の格変化もまったく無縁です。
単語がほとんど変化しないと言うことは
単語の原型だけ覚えればすむと言うことです。
なんとシンプル、エコなんでしょうか。
動詞が変化しないと聴くと皆さん不思議に思いませんか?
動詞の過去、現在、未来は、ではどうするのか?と言う問題です。
ご心配なく、副詞で十分意味することが表現できます。
ひとつ例を見て理解してみましょう。
英語で I eat.と言うのはインドネシア語で Saya makan.です。
sayaが名詞で私、makanが動詞で食べるです。
これを過去形にすると Saya sudah makan. 私はもう(既に)食べた。
sudahと言うのが「既に、もう」と言う過去時制を表します。
現在進行形なら Saya sedang makan. sedangは「今〜している」です。
「まだ」と言うと未来形を表すことができます。
Saya belum makan. 私はまだ食べていません。
この他に、今朝とか明日とか先週とか
時間に関する単語を使うとシンプルに時制を表現できます。
インドネシア語の構文は大体英語の構文と同じですが
不思議なポイントがない訳ではありません。
ひとつは形容詞が名詞の後に来ると言うこと。
「赤い花」を「花 赤い」と言います。bunga merah
フランス語やスペイン語とこの点は似ていますね。
多少間違えても単純に覚えた単語を並べただけでも通じますが
形容詞だけはいつも名詞の後ろです。
もうひとつ不思議なポイントは、「私達」と言う単語です。
英語では weのひとつですが、インドネシア語には2つあります。
kitaとkamiのふたつがあり、どちらも「私達」と言う意味です。
ではどのように違うのか、どのように使い分けるかです。
kitaは、 話している相手を含んだ「私達」で
kamiは、話している相手を含まない「私達」です。
一緒に行きましょう!英語でLet’s go.と言うのは
Mari kita pergi.と相手も含むkitaを使います。
一方、インドネシア人に対して
「私達日本人は、後で食べます。」と言うのは
Kami orang Jepang makan nanti. とkamiを使います。
インドネシア語は文法もシンプルですが、
「私達」が二種類あることはどうして?と不思議です。
欧米語でも「私達」が二種類ある言語は見たことがありません。
世界的にも珍しいかも知れませんね。
日常会話はシンプルなインドネシア語ですが、
新聞やテレビのニュース原稿等は
結構難しい表現をしていてタフなところもあります。
欧米語だけでなくアジアの言語にも
ちょっと親しんでみるのも興味深いでしょう。